最も珍兵器づくりにたけ、よくわからん兵器でも(実用性云々はともかく)取り合えず試作してみるという素晴らしい部署のある国である。
それ故に珍兵器も多く、英国面と云われて終う所以である。
・Landing Craft Tank(Rocket)通称LCT(R)
英国のトップバッターはこのLCT(R)である。
(英語版Wikipediaより)
写真を見ると船から煙が上がり、何かが左上に飛翔しているのがわかる。
賢明な読者諸君ならば、この船が火災になっていたり砲撃を食らっているわけではないと
分かるはずだ。
そう、この船は甲板いっぱいにロケット弾発射機を装備した船なのである。
そもそも「LCT」、"Landing Craft Tank"とは戦車や兵員を輸送し、砂浜から
上陸させる戦車揚陸艇の事である。そして(R)がロケット弾を装備していることを
示しているのだ。
さて、ここで少し説明を。敵陣に味方が突撃せざるを得ない時には、少しでも
敵を減らす、もしくは車両等にダメージを与えるために敵陣に猛攻撃を加えること、
これを攻撃準備射撃という。
一方、濃密な砲撃や銃撃を加え壕やタコツボに釘付けにし行動不能に陥らせる事を、
制圧射撃という。そして、これらを総称して火力支援という。
制圧射撃の主たるものに艦砲射撃があるが、艦砲射撃が行える巡洋艦等は上陸作戦
が始まると海岸付近にはいられなくなる(らしい…なんで?)、そこでイギリスがLCT(普通の方)に随伴して海岸付近(砂浜付近まではいかないよ?)で大々的に
火力支援を行うために英国が建造…してしまった船がこのLCT(R)である。
この船、なんと(形式によって数は異なるが)1,000基以上のロケット弾発射機
を備えており
LCT(R)の甲板の写真
(Wikipediaより)
これを数回に分け、数十秒で全弾発射可能という性能を誇った。
更にロケット弾(なお、使用ロケット弾はの弾種は口径76㎜ 弾頭重量27㎏
有効射程1600mのRP-3 【Rocket Projectile 3 inch】である)には HE、AP、CB
(コンクリートバスター)があり(弾種についてわからない人はここ)
それぞれを発射可能であった…オソロシイ。
コイツについてどう思う?
すごく…大きいです
(わかる人いるかな)
(http://www.combinedops.com/US%20LANDING%20CRAFT%20ROCKET.htm)
そんな風変りなLCT(R)だが、アメリカもそのコンセプトに興味を持ち同じようなものを作ったらしい。
ただし、やはりというか装填は大ごとで手が足りずほかの船に手伝ってもらう事もあったようだ。他にも発射後は猛烈な熱と煙に包まれ、甲板がすごいことになっていたとか…
甲板にいたら黒焦げですね…オソロシイ
参考サイト、および文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Landing_Craft_Tank_(Rocket)
・http://www.combinedops.com/US%20LANDING%20CRAFT%20ROCKET.htm
・https://www.navyhistory.org.au/british-landing-craft-of-world-war-ii/
・特殊兵器大図解
・Fairey Swordfish
http://www.spitcrazy.com/faireyswordfish.htm より
英国珍兵器、次なる刺客はこいつ”フェアリー”ソードフィッシュ【FaireySwordfish】で
ある。
英語でSwordfishって検索すると
こっちが出るけどこっちじゃないよ?
「いったいどこが珍兵器なんだ?はん!ついに管理人はカフェインの取りすぎでおかしくなったか、こんな複葉機ww1でよく見かけたぞやれやれだ」と思う読者の方もいるかもしれないが、なんとこの機体ww2においてイギリス海軍空母雷撃隊の主力機体として活躍し、なんとかのビスマルク追撃戦にも参加しているのだ。